すっかり成熟してしまったスマートフォン市場ですが、その中でも頭角を現しているのがロンドンを拠点とするNothing Technologyです。
昨年Nothing Phone(1)を皮切りにスマートフォン業界に参入し、評価は上々です。
そのNothing社から2世代目にあるNothing Phone(2)が発売され、約2週間程度実機を使ってきました。
結論としては完成度が高く、今の日本のスマートフォン市場の中で一定の地位を獲得できるモデルだと思います。
そこで本日は、Nothing Phone(2)を”買い”と思える3つの理由と実際に使ってわかったデメリットをご紹介します。
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Nothing Phone(2)を”買い”である理由
細部までこだわり抜いたNothingデザイン
Nothing Phoneと聞いて真っ先に思い浮かべるのがGlyphsインターフェースと呼ばれる背面のLEDライトとスケルトンデザインだと思います。
実際、Nothing Phone(2)のデザインは他のどのスマートフォンよりもエレガントでついつい見惚れてしまうかっこよさがあります。
Nothing Phone(2)かっこよすぎてずっとこれやってる😂 pic.twitter.com/UloKJ7yntz
— しみたく (@Gadget_Simitaku) July 26, 2023
Nothing Phone(1)はiPhoneのようなスクエア型でしたが、Nothing Phone(2)では背面のガラスが緩やかにラウンドしており持ちやすくなっています。
私はこのスケルトンデザインとGlyphsインターフェースを活かすためにはクリアケースを推奨します。
同梱されるUSB-CケーブルもNothing仕様です。スケルトンかつロゴ入りでかなりクールです。
ケーブルだけでなくSIMピンも特別仕様です。これまたカッコいい。
デザインへのこだわりはハードウェアだけではありません。ソフトウェアにはNothing OSを採用し、ホーム画面、ボリュームキーなど随所にNothingのデザインが組み込まれています。
こうしたデザインな統一感は日々スマートフォンを使う中での愛着に繋がり、所有欲を満たしてくれます。
左下のウォーターマークもNothing仕様です。
Nothing phone(2)
— しみたく (@Gadget_Simitaku) August 6, 2023
細かいところにNothingテイストがあるのいいよね。
このフォント見ずらいからこれぐらいがちょうどいい塩梅。 pic.twitter.com/bbAnfhOYTv
Nothing OSはデザインこそNothing哲学に則っていますが、機能的にはかなり素のAndroidに近いです。
GalaxyやXiaomi、OPPOなどのカスタムUIと異なりカスタマイズできる幅は狭い点は物足りないと感じる人もいるかも知れません。
Nothing社のデザイン哲学が一貫している点も魅力的なポイントです。
Nothing earやear stickといったイヤホンとのデザイン的な相性は抜群で、Nothing Phone(2)を使っていると一度手放したNothing ear(2)を買い戻したくなってしまいました。
Nothing Technology社は2020年10月に中国のOnePlusを共同創設したカール・ペイCEOが創業したまだまだ新鋭のスタートアップであるため現状ではスマートフォンとイヤホンのラインナップのみである。
Nothing Phone(2)を初動台数やネット上の反応を見ると好調のように見えるので、これからのNothingブランドの拡大を期待したいところです。
成熟した大企業のスマートフォンではなく、よちよち歩きのスタートアップ企業のスマートフォンを使うということもガジェットラバーの気持ちをくすぐる部分があります。
全体的にハイスペックの割に低価格
前作のNothing Phone(1)はSoCにSnapdragon 778G+を搭載したミドルハイレンジのスマートフォンでした。
Nothing Phone(2)ではSnapdragon 8+ Gen 1を搭載し、晴れてハイエンドスマートフォンの仲間入りをしました。
特筆すべきは最新のSnapdragon 8 Gen2ではなく、敢えて旧型であるSnapdragon 8+ Gen1を搭載している点でしょう。
Nothing Phone(2)が搭載したSnapdragon 8+ Gen1は他社の2022年ハイエンドモデルに搭載されたものとは異なり、低クロック版を採用しています。
Nothing Phone (2)版 | Galaxy Z Fold4,Xiaomi 12T Proなど | |
CPU | Cortex-X2×1:3GHz Cortex-A710×3:2.5GHz Cortex-A510×4:1.8GHz | Cortex-X2×1:3.18GHz~3.2GHz Cortex-A710×3:2.75GHz Cortex-A510×4:2GHz |
GPU | Adreno 730 | Adreno 730 |
最新の8 Gen 2を搭載しなかった理由の最たるものは価格でしょう。
実際にNothing Phone(2)は最も安価な8GB/128GBモデルが79,800円というハイエンドモデルとしてはかなり挑戦的な価格となっています。
コスパから高級路線に移りつつあるXiaomiの同グレードのモデルであるXiaomi 12T Proが109,800円であることを考えると非常に攻めた価格であることがわかるかと思います。
Snapdragon 8+ Gen1かつ素のAndroidに近いこともあり、全体的な動作はサクサク軽快です。
ベンチマークスコアはAntutu Ver.10で約110万点でした。低クロック版ですがスコア的にはしっかりとハイエンドモデルです。
前作で不評だったシャッターボタンを押したあとのラグも大幅に改善されておりスペックアップおよびチューニングの成果を感じ取ることができます。
気になる電池持ちも低クロック版を搭載したことが奏功してか、とても電池持ちが良いです。
ガシガシ使っても2日間は充電不要で使えるぐらい電池持ちは良いと感じます。
Youtubeで動画垂れ流しにしたときの電池持ちがこちら
- 視聴開始:55%
- 30分後:52%
- 60分後:50%
1時間の動画視聴で電池消費量はたったの5%でした。
もちろん画面輝度や音量などの様々な要因で電池消費量は変わってきますが、ハイエンドモデルとしては総じて電池持ちが良いと言えます。
Nothing Phone(2)といえばスケルトンデザインとGlyphsインターフェースが注目されたがちですが、処理性能と電池持ち、価格の3つを両立させている優秀なスマートフォンです。
Nothing Phone(2)のデメリット
Glyphsインターフェースの実用性が乏しい
Glyphsインターフェースがとてもクールでついつい使いたくなってしまうのですが、惜しむらくは背面に搭載されているということです。
当たり前ですがスマートフォンとはディスプレイ側を正面として使う道具です。
普段使いの中でGlyphsインターフェース利用するシーンは自ずと限られてしまいます。
Nothing Phone (2)通知を受信 pic.twitter.com/kJJuUkq0hR
— しみたく (@Gadget_Simitaku) August 6, 2023
背面のまま机に置いて、通知ランプ代わりにするのが最もオーソドックスな使い方で、進捗バーや電池残量、音量などと連動していますが、背面で操作すると逆に使いづらいです。
Glyphsインターフェース自体はとてもクールなのですが、実用性はあまりないのが残念なところです。
Glyphインターフェースの使い方
— しみたく (@Gadget_Simitaku) August 6, 2023
背面のままでも音量がわかる。
(実用的かどうかには触れていない。) pic.twitter.com/A8pvMFYYOZ
例えばカメラのシャッタータイマーで残り時間を表現するとか(現状はカメラ周りがチカチカ光るだけ)はあってもいいのかなと。
他にも、私は仕事で00分や30分刻みでZoomMTG入るのですが気づけば予定時間を過ぎていたりするのでGlyphsインターフェースで特定時間ごとに通知してくれるとかあったら便利だなと思いました。
GlyphsインターフェースはNothing Phoneシリーズだけの機能なのであまりユースケースが広がらないという点が残念ですが、今後の開発に期待です。
細かいところでコストカット
Nothing Phone(2)デメリット2つ目はところどころでコストカットの影響が出ている点です。
- Felica非対応
- 防水性能はIP54
- eSIM非対応
やはり残念なのがFelica非対応のためおサイフケータイが利用できないことでしょう。
ただ、最近ではPixel WatchがSuicaだけでなくiDやQuick Payにも対応したのでおサイフケータイを使いたい方はスマートウォッチとの併用などを考えても良いのではないでしょうか。
IP54の防水性能とは以下のことです。
IP56(Nothing Phone(2)) | IP68 | |
防水防塵性能 | ・塵埃の侵入を完全に防止できないが電子機器の動作には問題がない ・あらゆる方向からの水の飛まつによって機器が影響を受けない | ・塵埃の侵入がない ・継続的に水中に沈めた場合でも機器が影響を受けない |
最近ではIP68の防水防塵性能を有するモデルも多いため、IP56はどうしても見劣りします。
完全防水ではないため水中に沈めることなどはやめておきましょう。
eSIM非対応である点は、人によって痒いところかもしれません。私はY!mobileをeSIMでメイン運用しているためNothing Phone(2)を実質のメイン機とすることができていません。
とはいえ、eSIMはキャリアのシステムがまだまだ成熟しておらず再発行などの度にヘルプデスクに問い合わせせざるを得ないなんらかのトラブルに巻き込まれるので、あえて使うものでもないと思います。
結論:Nothing Phone(2)は買って後悔なし!
Nothing Phone(2)を実際に使ってわかった”買い”な理由とデメリットを解説しました。
デザインだけと思われがちなNothing Phoneですが価格の割に基本性能が高く、非常にコストパフォーマンスが良かったです。
10万円以上は出せないがハイエンドモデルの性能を求める方におすすめできるスマートフォンでした。
他社のプレミアムハイエンドには劣りますが、コントラストの効いた雰囲気のある写真が撮れます。
ぜひNothing Phone(2)を検討してみてください。
最後までご愛読ありがとうございました。
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