ここ最近のワイヤレスイヤホンとトレンドが”耳を塞がない”です。
各社が耳を塞がないタイプのワイヤレスイヤホンを発売する中で、これまでも多くの完成度の高いワイヤレスイヤホンを夜に送り出してきたHUAWEIからも耳を塞がないタイプのイヤホンが登場します。
その名も「FreeClip」
イヤーカフ型と呼ばれるタイプのイヤホンで、耳の穴を一切塞がないので装着したままでも周りの音が聞こえることが特徴です。
今回は発売の一足先に実機を提供いただけたので、2週間しっかり使ってみてわかったメリット・デメリットの実機レビューをお届けします。
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FreeClipの特徴
- 耳を塞がないイヤーカフ型
- 近未来的な球体デザイン
- イヤーカフ型ながら圧倒的な低音とバランスに優れた音質
- イヤーカフ型ながらタップ操作に対応
- 左右の区別がなく自動識別可能
- マルチポイント接続対応
- 単体8時間/ケース併用36時間のロングバッテリー
- Androidアプリがインストールしづらい
HUAWEI FreeClipは耳たぶに挟むタイプのイヤーカフ型のワイヤレスイヤホンです。
イヤーカフ型のイヤホンはいくつか安価なモデルが他メーカー販売されていますが、HUAWEI FreeClipはイヤーカフ型に本格的に挑戦したモデルと言っても過言ではないでしょう。
球面の曲線美が美しい未来的なデザインにタッチコントロールに対応、逆音波センサーによる音漏れ対策、単体で最大8時間のロングバッテリー、IP54の防塵防滴仕様、マルチポイント接続といったワイヤレスイヤホンとして欲しい機能をしっかりと備えています。
項目 | FreeClip |
イヤホン重量 | 約5.6 g |
再生可能時間 | 音楽再生:本体フル充電時約8時間 本体+ケース込み約36時間 |
操作 | ダブルタップ/トリプルタップ |
Bluetooth®コーデック | SBC、AAC、L2HC |
防滴、防水、防塵 | IP54 |
カラー | ラベンダー/ブラック |
FreeClipの外観
こちらがFreeClipの充電ケースです。今回はブラックカラーを提供いただきました。
サラサラした手触りが心地よく、小石のようなラウンドしたフォルムが可愛らしいです。
私はノイズキャンセリング用FreeBuds Pro 3を愛用しているのですが、FreeBuds Pro 3よりも少し深みのあるブラックです。※FreeBuds Pro 3はシルバー
イヤーカフ型ではない耳を塞がないタイプのワイヤレスイヤホンは耳に引っ掛ける形状故に充電ケースがどうしても大きくなる欠点があるのですが、FreeClipは非常にコンパクトです。
充電端子はUSB-Cです。
本体の充電はUSB-Cを使った充電とワイヤレス充電にも対応しています。ワイヤレス充電は削られやすい機能なのでこれは地味に有り難い。
側面には物理ボタンが搭載されており、こちらを長押しすることでペアリングができます。
蓋を開けるとこのような形でイヤホンが収納されています。
C型のブリッジの部分をつまむと簡単に出し入れてきて使いやすいです。
このブリッジ部分は高性能なニッケルチタン形状記憶合金を採用しており耐久性が非常に高いとのことです。
実際に着け心地はよくランニングなどの運動をしても落ちる心配は今のところありません。
こちらは左右のイヤホンを並べて写真なのですが、実はFreeClipには左右の区別がありません。そのためどちらも同じものとなっており、左右の識別は自動でされます。
球体(アコースティックボール)の部分にスピーカーが配置されているため、こちらを耳の内側に向けて装着します
最初はどこが正解かわからない不安感がありますが、実際に音楽を流しながら微調整をするとハマる場所があることがわかります。
もちろんマイクも搭載しているのでFreeClipで電話やWEB会議に参加も可能です。
このサイズながらデュアルマイク+骨伝導VPUセンサーを搭載したマイクを搭載し、マルチチャネルDNN通話ノイズキャンセリングアルゴリズムにより雑音の多い環境でもクリアな通話が可能です。
FreeClipの音質
FreeClipの特筆すべきは音質です。
イヤーカフ型のイヤホンは既にいくつか発売されていますがどれも音質は悪く形状の面白さが先行しているものばかりでした。
一方でFreeClipは(価格が高いというのもありますが)10.8mmのデュアルマグネットダイナミックドライバを搭載しイヤーカフ型としては最高クラスの音質を誇っています。
実際に使ってみて感じたのが低音の強さです。
開放型のイヤホンはどうしても低音が弱くなりがちですが、普段使いのイヤホンとして満足できるレベルには十分達しています。
FreeBuds Pro 3と同様に全体的に音のバランスが良いのでどんなジャンルでも活躍できます。
FreeBuds 3Pro
— しみたく (@Gadget_Simitaku) February 23, 2024
FreeClip
この2台あったらどんな場面でも対応できる気がする。
てかFreeClip使い始めてからこればっかり使ってるわ。
集中したいときはFreeBudsだけどランニングとか移動とかは周りの音聞こえるほうが安全面的に良い。 pic.twitter.com/deUnzvJr6A
FreeClipの装着感
イヤーカフ型を使ったことがない人にはどんな装着感か全く想像できないかと思います。
耳に押し込むタイプではなく、どちらかというとイヤリングのように引っ掛ける形となります。そのため、ちょっとだけ挟まれている感じはわかりますが不快感は全くありません。
私は右耳がデリケートなタイプの人間なので、3〜4時間装着しているとじんわりと耳が痛くなってきましたが、普通のイヤホンで気にならない人に全く問題ない装着感だと思います。
他社のイヤホンだと30分や1時間で耳が痛くなることもしばしばなので、装着感は高評価と思っていただけると。
耳を塞がないタイプなので周囲の音は全く問題なく拾うことができます。家の中であれば音量を低めに設定できるので装着したままでも家族と会話は可能です。
屋外に出ると車の音などのノイズはダイレクトに入ってきますが、音量を上げればランニングなどの用途でも十分使うことができます。
開放型で気になるのが外部への音漏れですが、HUAWEI FreeClipは逆音波システムにより外部への音漏れがかなり抑えられています。
実際にFreeClipから20cm程度離れると音はほぼ聞こえなくなります。
満員電車などの密着する場所ではわずかに音漏れするかもしれませんが、普段使いでシャカシャカ周りに音を漏らすような使い方になる心配はなさそうです。
FreeClipの操作性/使い勝手
FreeClipはダブルタップとトリプルタップでの操作に対応しており、イヤーカフ型でこうしたタップに対応している時点で素晴らしいのですが、特筆すべきはそのタップの範囲です。
大きく3箇所にわけたときにどこをタップしても認識してくれるので、特に場所は意識せずにトントンとタップするだけで操作ができます。
構造上C型のブリッジをつまんで調整をするため、ワンタップには操作を割り振られないような仕様もよく考えられています。
ダブルタップ | 再生/一時停止 次の曲 前の曲 音声アシスタントの起動 なし |
トリプルタップ | 次の曲 前の曲 なし |
どちらも左右で別々で割り当てることができます。
音量調整ができない点が残念ですが、必要最低限な項目はカバーしています。
FreeClipはマルチポイント接続に対応しているため、パソコンとスマートフォンに同時に接続して、切り替え不要で使うことができます。
通勤時には自分のスマートフォンと接続しつつ、会社ではパソコンと接続してWEB会議に参加するような使い方も切り替えレスでできるのでかなり使い勝手が良いです。
着脱検出にも対応しているめ、耳から外すと勝手に音楽再生を止めてくれます。
FreeClipの電池持ち
FreeClipはこのサイズながら単体で最大8時間の再生が可能です。
また、10分間の充電で3時間の音楽再生が可能な急速充電にも対応しており、通常のワイヤレスイヤホンと同等の電池持ち、充電性能を具備しています。
イヤーカフ型はどうしても電池持ちが短くなりがちなのですが、単体8時間を実現したは素晴らしいの一言です。
ケース利用なら最大36時間というロングバッテリーも充電頻度が少なくて済みます。
FreeClipのデメリット
音質、機能、デザインどれをとっても完成度の高いFreeClipですが、唯一のデメリットを上げるとしたアプリでしょう。
iPhoneユーザーはappstoreから”AILife”をインストールすればいいので問題ないのですが、Andoridユーザーの場合はGooglePlayストアからのインストールができません。
別途apkファイルをダウンロードしてインストール(もしくはAppGalleryからインストール)する必要があり、面倒くさい+ちょっとだけ敷居が高いです。
アプリでは次の設定が可能です。
- 接続機器の切り替え
- サウンド効果の選択
- ジェスチャーの設定変更
- イヤホンの選択
- 更新
- 各種設定
そこまで細かいカスタマイズはできないのでアプリ自体は必須という感じではありませんが、ソフトウェア更新などを考えると入れておきたいところです。
FreeClipって実際どうなのか
ここまで各機能別にフォーカスしてFreeClipをレビューしてきましたが、高級イヤーカフ型イヤホンという新しいジャンルという観点で評価しますと、FreeClipは新しいイヤホン体験を与えてくれる素晴らしい製品でした。
完全ワイヤレスイヤホンはインナーイヤー側かつノイズキャンセリング搭載という方向でここまで進化をしてきましたが、その進化もかなり成熟している印象を持っています。
それ故に私も普段使いではHUAWEI Freebuds3 Proを使っているのですが、FreeClipに出会ってメインのイヤホンがFreeClipに取って代わりました。
実際、周囲の音をダイレクトに取り込めるという体験は思っていた以上に快適でした。
使い始めた当初、FreeClipをつけて外を歩いたときに、車の音や周囲の環境音がうるさいことが気になったのですが、安全面ではやはり音は大事な情報源ですし、音量を少し上げたら音楽も楽しみつつ、周りの音もわかるので意外と気にならなかったです。
これまでは普段使いも作業に集中するときもFreeBuds Pro 3を使っていましたが、FreeClipを使ってからは本当に作業に集中したい場面だけで使うようになりました。
これはイヤーカフ型という形状だけでなく、FreeClipの死角のない機能、電池持ち、音質などのバランスの良さによるところが大きいです。
他のイヤーカフ型イヤホンよりも高い価格設定(27,800円)ではありますが、性能を考えると妥当、むしろかなりコスパは高いと思います。
過去同様な開放型のイヤホンに挑戦したけどイマイチでノイキャンに戻ってしまった人にもぜひおすすめしたいイヤホンです。
HUAWEI FreeClipマジでいいな。
— しみたく (@Gadget_Simitaku) February 23, 2024
今までノイキャンばっかり使ってたけど、むしろこっちのが生活の中で使うイヤホンとしては最適だわ。
これはイヤホンの新しい世界が開ける感じ。
TWSのノイキャンも成熟した感じあるし次のトレンドは絶対こっちだな
FreeClipのレビューまとめ
HUAWEIから登場したイヤーカフ型の期待の新生”FreeClip”はイヤーカフ型トレンドの波がやってくることを予感させる素晴らしいイヤホンでした。
最後までご愛読ありがとうございました。
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