AQUOS sense7はAQUOSの2022年のミドルレンジモデルです。
ミドルレンジながらハイエンドモデルに匹敵するイメージセンサーを搭載することで、同価格帯の機種よりもカメラ性能で差別化を図っています。
実際にAQUOS sense7を購入してわかったメリット・デメリットを実機レビューをお届けしたいと思います。
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AQUOS sense7の注目ポイント
- 高級感のあるアルミボディ
- 抜群の電池持ち
- 大型のイメージセンサーによるカメラ性能
- コンパクトで扱いやすいサイズ感
- マスク顔認証対応
- 押しづらい音量キー
- カメラハードを活かしきれないSoC
- 低品質なディスプレイ
- ミドルレンジとしては少し高め
AQUOS sense7の注目ポイントは主に2つ”カメラ”と”電池持ち”です。
ハイエンドモデルにせまる1/1/55インチの5030万画素の広角カメラを搭載することで、他のミドルレンジとは一線を画するカメラ性能を誇ります。
イメージセンサーだけでなく同社のフラッグシップモデルであるAQUOS R7に搭載されている画像エンジン”ProPix4”を搭載や像面位相差AFによるAF性能などミドルレンジモデルにしてはカメラ性能は非常に高いです。
電池持ちではコンパクトなボディに4,570mAhの大容量バッテリーを搭載し、IGZO OLEDのアイドリングストップ技術などを駆使することで抜群の電池持ちをアピールしています。
価格は購入する事業者により異なりますが、SIMフリーモデルであれば54,450円となっており、ミドルレンジモデルの主戦場である3〜4万円の価格帯に対しては僅かに高めの価格設定となっています。
AQUOS sense7のデザイン
付属品は超質素
こちらがAQUOS sense7の化粧箱です。超質素で高級感の欠片もありません。
付属品は本体とクイックスイッチアダプターと呼ばれるコネクタの変換器が入っているだけで、ケースもケーブルも付属しておらず環境に配慮したものとなっています。
今回はAQUOS sense7のブラックカラーを購入しました。
緩やかにラウンドしたボディにアルミ素材のひんやりとした質感がNexus 6Pを彷彿とさせてくれます。デザイン自体はスッキリとしており非常に好印象です。
ほぼ全面がアルミで覆われているため、冬場はキンキンに冷える感じがどこか懐かしいです。
ただ、カメラはレンズのみがポコっと突出したデベソのようなデザインで、Felicaは思わず「そこっ?」と突っ込みたくなる位置に搭載されています。
個人的にGoodなポイントが横幅が70mmである点です。
Pixel7 Proと比較すると一回り小さいサイズ感がよくわかります。
あまり手の大きくない私でもしっかりホールドできるサイズ感でありながら、大画面による視認性の良さを両立したちょうどよいサイズ感です。
このサイズ感に4,570mAhの大容量のバッテリーを搭載しつつも本体重量が158gと軽量なのも魅力的なポイントです。
ボタン周りはちょっと残念
ボタン類は右側面に集約されており、指紋認証センサーは電源ボタンと兼用ではありません。
コストを抑えるための選択なのでここは特に気になりません。むしろ気になるのは異常に高い位置にある音量キーです。
残念ながら片手持ちでは音量操作ができない位置となっており、スクショを撮るのも一苦労ですし、カメラのシャッターボタンとして利用する際には片手持ちでシャッターが切れないという残念仕様です。
指紋センサーは置くだけで反応するタイプで精度・速度は普通です。冬の乾燥肌ではたまに失敗することがあり、そこまで良いものではないと感じました。
ただ、指紋センサーも微妙に下側に配置されているため、自然とグリップした状態では親指がつりそうになります。
ただし、電源ボタン、音量ボタンは精巧に作られており特に電源ボタンのクリック感は良好です。
下部にはUSBコネクタとイヤホンジャック、スピーカー(ステレオ)が配置されています。
イヤホンジャック搭載は嬉しいポイントです。
スピーカーはモノラルで音質は貧弱です。音はスカスカで全体的にこもっている印象です。
上部にはSIMトレーが配置されておりSIMピンいらずで抜き差しができる良心設計。(MNOモデルは不明ですが)着脱しても再起動がかからない点もGoodです。
AQUOS sense7のディスプレイ
スペックほど綺麗に見えないディスプレイ
AQUOS sense7は6.1インチのIGZO OLED(有機EL)を搭載しており。解像度はフルHD+ (1,080 × 2,432)で10億色表示に対応しています。
ピーク輝度が1300nitとハイエンド相当に高いのが地味に凄い点で、屋外での視認性も良好です。
AQUOS sense7
— しみたく🙆クリスマスVer. (@Gadget_Simitaku) December 10, 2022
晴天でも視認性抜群😂 pic.twitter.com/KOhqwFZCuO
ただ、個人的に気なったが色味。有機ELゆえに少しビビッドに映るのは理解しますが、色合いがおかしいところが気になりました。
エントリーモデルの液晶ディスプレイにあるような白っぽさとはまた違い、こちらが期待する色を表現できていない印象があります。
また、ディスプレイ自体に残像が残りやすい傾向があり、長時間常時表示をしていると、画面をオンにした後も一定時間は時計の残像が残ります。ただ、これは焼付きではなく一定時間経つと消えるのでご安心ください。
最大リフレッシュレートは60Hzなので、90Hzや120Hzのような滑らかな画面描写はできず、高リフレッシュレートに慣れている私には残像が気になります。
インカメラはしずく型のノッチとして画面上部に搭載されており、ミドルレンジとしては珍しくない実装方法です。
AQUOS sense7のカメラ
AQUOS sense7のカメラスペック
AQUOS sense7は標準と広角レンズのデュアルレンズ構成となっており、注目は1/1.55インチの大型イメージセンサーを搭載した標準レンズです。
ハイエンドモデルであるZenfone9が1/1.56インチのものを搭載しており、他社のハイエンド相当と言えるサイズ感です。(もっと高級機は1型なども登場していますが・・・・。)
広角レンズ(他の機種は超広角レンズと呼ぶことが多い)は800万画素となっており、こちらは一般的なミドルレンジと代わりのないものです。
望遠レンズは非搭載ですがミドルレンジ機で独立した望遠レンズを搭載したモデルも少ないため、特にデメリットではありません。
AQUOS sense7のカメラ作例
こちらは晴れた日の作例。AQUOS sense7にはAQUOS R7譲りの画像処理エンジンが搭載されており、黒をうまく協調した雰囲気のある写真が撮れる印象です。
中華スマホにあるような過度な彩度の持ち上げなどはないですが、写実性が高いともまた違う味のある写真です。
大型のイメージセンサーを搭載しているためボケ感もしっかりあります。それでいて被写界深度は浅すぎず、AFも早いので扱いやすいカメラだと思います。
光量のある屋外でのシーンはしっかりと撮れる印象です。派手すぎず地味すぎずで良い意味で今年のAQUOSらしい仕上がりです。
HDRは自動で検出され、かなり強力に効いています。見てもらうと分かる通り完全な逆光下ですがビルの階段や壁面などの細部はしっかりと残っています。
AIが料理を検出し、少し暖色よりの補正がかかります。少し暗いのが気になりますがそれなりに美味しそうに撮れます。
シチュエーション的には意地悪な暗めのカフェでPixel7 Proと比較してみました。
暗いシーンは苦手なようで、黒つぶれしてしまっています。
こちらもシチュエーションとして意地悪な雨の日のツバキの作例です。この作例に限らずAQUOS sense7は光量が少なくなると極端に絵がのっぺりします。
この点は屋内で子供撮りをするときに顕著に感じる点で、手持ちのPixel7 ProやiPhone14 Proと比較すると雲泥の差があります。
おそらく本機で一番注目すべきが夜景です。
これまで数多くのミドルレンジを触っていましたが、AQUOS sense7の夜景は(Pixelを除けば)頭一つ抜けている印象です。光源の白飛びを抑えつつ、暗部のディティールも損なっていません。
処理能力の関係でバックグランド処理が長く、動作が不安定である点が玉に瑕ですが、仕上がり自体はとても良いです。
ハイエンドモデルであるPixel7 Proと比べるとディティールの細かさや色合いの自然さなど随所に差を感じることは事実ではありますが、ミドルレンジでここまで撮れたら十分かなと。
少し暖色よりな傾向がありますが、細部が残っていればあとは編集で好みの質感を出すことができます。
AQUOS sense7カメラのデメリット
ここまでの作例紹介を踏まえると、ただただ素晴らしいカメラと思われそうですが、実際に使ってみるといくつか不満点はあります。
1番の不満点がバックグランド処理です。Snapdragon695というミドルレンジ向けSoCを搭載しているため、スペックが足りていない印象が随所にあります。
撮影後に一定時間はフリーズし倍率変更ができなかったり、プレビュー画面は常にカックカクです。ポートレート撮影は4〜5秒程度の処理時間が発生するため連続した撮影に向いていません。
無理して動かしている感じが強く、撮影体験としては心地よいものではありません。
2つ目が稀に画像処理がバグること。
夜景モードでの撮影時のみではありましたが、上の写真のような失敗が稀にあります。同じシャッターチャンスは二度とやってこないので、このあたりはソフトウェアの改善を期待したいところです。
大型のイメージセンサーを搭載することで撮れる写真自体はミドルレンジよりも一段上の仕上がりなのですが、撮影体験全体を考えるとそこまで大手を振って褒められるものではないというのが正直な印象です。
AQUOS sense7の動画性能
写真描写はかなり力が入っている一方で、動画はとても微妙です。
そもそもSoCの関係上、1080/60fpsまでしか設定できませんし、手ブレ補正を有効にすると30fpsに制限されます。
撮れる映像も”まずます”と言った印象ですし、なぜか我が家のシーリングライト下ではちらつきが発生し、見るに堪えない仕上がりでした。
動画に期待して買うものではないでしょう。
AQUOS sense7の電池もち
小型ながら抜群の電池持ち
AQUOS sense7のバッテリー容量は4,570mAhとなっており、コンパクトな筐体に対しては大きめのバッテリーを搭載しており体感の電池持ちは非常に優秀です。
ライトな使い方であれば4日間使用してもまだ30%程度残っており、省エネ性能は非常に高いです。
これらはただバッテリーが大きいだけでなく、表示内容が変わらなければ書き換え頻度を下げるといったIGZOのアイドリングストップ(可変駆動)が効いているという要因もあります。
充電速度はとても遅い
スペックシート上はUSB-PDに対応しているとしか記載がなく、正確なW数は不明ですが手元で測定した感じではおそらく15Wが最大かと思います。
ハイエンドモデルで30Wや60Wなど高出力な急速充電に対応するモデルが多く登場していることを踏まえると、15Wはとても遅いです。
フル充電にかかる時間は約2時間30分程度なので、朝の準備時間で充電をするような人は注意が必要です。
AQUOS sense7の処理性能・使い勝手
AQUOS sense7のベンチマークスコア
AQUOS sense7のAntutu Ver9ベンチマークスコアは約39万点でした。
搭載しているSoCがSnapdragon695なので順当なスコアです。
高解像度、高フレームレートでのゲームはできませんが、ライトなゲームならなんとかできるレベルです。
カメラ周りの処理を任せるには力不足感が否めず、プレビューがカクつきことが多々ありましたが、WEBブラウジングやSNSの利用程度であれば特に不満はなく利用できるレベルです。
AQUOS sense7ならではの使い勝手の良さ
AQUOSスマートフォンはデザイン的には素のAndroidに近いです。
ただ、機能面はAQUOSらしい便利機能がいくつか追加されています。
個人的に便利だと思うのがPayトリガーとスクロールオートです。
AQUOS sense7のPayトリガー
— しみたく🙆クリスマスVer. (@Gadget_Simitaku) December 18, 2022
これは結構便利だね😂
でも、指紋の位置が悪い😅 pic.twitter.com/UaW5CyGAff
Payトリガーという指紋センサーに指を置きっぱなしにするとPayPayなどの決済アプリを呼び出せる便利機能です。
指紋認証の延長上での操作とすることで、画面に触れずに一発で決済アプリを開けるのがうまくできていると思います。
AQUOS sense7のスクロールオート
— しみたく🙆クリスマスVer. (@Gadget_Simitaku) December 18, 2022
スクロールすら億劫になったTwitter廃人向け機能です😂 pic.twitter.com/IPcZq6aOVd
スクロールオートは自動でスクロールをしてくれる機能で、Twitterなどの縦スクロールコンテンツの消費が捗ります。
他にも顔認証はマスクを装着したままでも認証が可能ですし、eSIM対応、Felica搭載、防水防塵対応、イヤホンジャック搭載、最大1TBのMicroSDカード対応など機能面ではとても充実しています。
AQUOS sense7の実機レビューまとめ
AQUOS sense7の実機レビューをお届けしました。
当初の期待は大型のイメージセンサーを搭載したカメラにありましたが、処理性能不足が否めずガクガク動作を考えるとスマホカメラとしてはもう少し頑張って欲しいと感じました。
ミドルレンジでカメラ特化というコンセプト自体は尖ってて面白いと思いますので、ぜひ次のモデルはミドルハイクラスのSoCでお願いしたいです。
一方で、電池持ちは前評判通りとても優秀だったので、スマートフォンの利用頻度が低く、充電するもの億劫な人にはおすすめできるモデルです。
販路の広さも魅力的で、各キャリアのモデルであれば割引やキャンペーン併用ができますし、シンプルにSIMフリーの端末だけ購入することもできます。
AQUOS sense7が気になる方は是検討してみてください。
最後までご愛読ありがとうございました。
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