Google Pixel 7aが発売となりました。前作のPixel6aに続き、SoCは上位モデルと同じものを採用しつつ、カメラ性能も強化された今年一番の注目モデルです。
Pixel 6aは素晴らしいコストパフォーマンスで、個人的に2022年のミドルレンジで最もおすすめしたい機種でしたがPixel 7aはどうなのか。
Pixel 7aの実機を自腹購入したので本機を使ったメリット・デメリットのレビューをお届けしたいと思います。
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Pixel 7aの注目ポイント
Pixel 7aのメリット・デメリット
- Pixel7と同じSoC「Tensor G2」搭載
- 90Hzリフレッシュレート対応
- カメラ画素数が6400万画素にアップグレード
- ワイヤレス充電対応
- n79含む大手キャリアのバンドフル対応
- 発熱耐性が少し弱め
- 充電速度が遅い
Google Pixel 7aはGoogle Pixel7シリーズの廉価モデルにあたります。
廉価モデルでありながら、心臓部にあたるSoCは同じ“Tensor G2”を採用しメモリ8GBを搭載するなどはハイエンドモデルに匹敵する処理能力を備えているのが特徴です。
メインカメラは前作の1200万画素から6400万画素にアップグレードされ、イメージセンサーもミドルレンジモデルとしては大きめなものが採用されています。
他にもワイヤレス充電への対応や90Hzリフレッシュレートへの対応など細かい点でもしっかりとアップグレードされています。
ネットワーク関連では倦厭されがちなn79バンドにも対応することで、大手キャリアでは久しぶりにNTTドコモが取り扱いされています。
これだけのスペックで価格は62,700円とかなりお買い得。Googleストアならキャンペーンで更に1万円分のストアクレジットが還元されるため実質52,700円で購入できます。
Pixel 7aの詳細スペック
こちらがPixel 7aのスペックです。
モデル | Pixel 7a | Pixel 6a |
---|---|---|
ディスプレイサイズ | 6.1インチ | 6.1インチ |
ディスプレイ形状 | フラット | フラット |
解像度 | FHD+(1,080 x 2,400)OLED | FHD+(1,080 x 2,400)OLED |
リフレッシュレート | 90Hz | 60Hz固定 |
本体サイズ | 152 x 72.9 x 9.0mm | 152.2 x 71.8 x 8.9 mm |
重量 | 193.5 g | 178g |
バッテリー容量 | 標準 4,385 mAh | 標準 4,410 mAh |
充電速度 | 最大18 W | 最大18 W |
ワイヤレス充電 | 対応 | 非対応 |
CPU | Google Tensor G2 | Google Tensor |
メモリ | 8GB | 6 GB |
ストレージ | 128GB | 128GB |
ストレージ種類 | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
メインカメラ | 標準:64MP f/1.89 超広角:13MP f/2.2(120°) | 標準:12MP f/1.7 超広角:12MP f/2.2(114°) |
フロントカメラ | 13.0MP f/2.2 | 8.0MP f/2.0 |
SIM | nanoSIM×eSIM | nanoSIM×eSIM |
5G | sub-6(n79対応) | sub-6 |
認証 | ディスプレイ内蔵 | ディスプレイ内蔵 |
Felica | 対応 | 対応 |
防水 | IP67 | IP67 |
価格 ※Googleストア版 | 62,700円 | 53,800円 |
カラー | Charcoal Sea Snow Coral | Sage Chalk Charcoal |
本体重量が重くなってしまった点を除けば、基本的に全体がアップグレードされています。
Pixel 6aが渋めなカラーバリエーションでしたが、Pixel 7aは水色っぽい”Sea”やビビッドなCoral”などの派手めなカラーが登場し、個人的にはPixel3のころの可愛らしいカラーが戻ってきて嬉しいです。
Pixel 7aの外観
付属品とデザイン
こちらがPixel 7aの化粧箱です。いつも通りシンプルです。
付属品はケーブルとクイックスイッチアダプターというおなじみの構成です。ケースや画面保護フィルムは付属していないので一緒に購入することをおすすめします。
背面デザインはPixelっぽくてとても可愛い。
ケースの厚みがしっかりとあり安定感のあるケースです。
ボタンの押し心地は特に不満はなく快適です。電源ボタンの切り抜きがざっくりだなという印象です。無料のケースにしては十分過ぎる品質です。
こちらがPixel 7aの本体です。今回は水色がオシャレなSeaを選びました。
デザインはPixel 7aからほとんど変わりませんが、カラーリングが違うので手に取ったときの印象は全然違います。
背面素材は3D合成素材カバーガラスとのことですが触った感じはプラスチックに近いです。
フレームとカメラバンプは合金製なので質感は良いです。
カメラ周りのデザインはPixel6以降特に変わり映えしませんが、そこまで厚みはなく、左右均等なのでガタつかない点はGoodです。
電源ボタン周りは精巧に作られていてクリック感も良好です。お世辞抜きで18万円もするGalaxy S23 Ultraよりも電源ボタンの質感は高いです。
底面にはスピーカー口とType-CのUSBポートを搭載しています。ステレオスピーカーとなっており割りと迫力のある音を出してくれます。イヤホンジャックは非搭載です。
ハイエンドモデルと比べると低音弱い気もしますが、価格を考えると十分すぎるレベルです。
Pixel 6aよりもわずかに大きくなったこともあり、片手操作が若干しづらくなりました。重さも193.5gに増えているためずっしりと重くなったのを感じます。
iPhone 14 Proと比べても一回り大きいサイズ感です。
ただ、このサイズでも最近のスマートフォンとしては比較的コンパクトなので、小さめのサイズを求める人には有力な選択肢の一つです。
Pixel 7aのディスプレイ
ディスプレイ性能
Pixel 7aは6.1インチのFHD+解像度の有機ELディスプレイを搭載しています。ディスプレイ自体は癖がなくとても綺麗です。
前作はリフレッシュレートが60Hz固定でしたがPixel 7aは90Hzに対応しました。
日頃から120Hzで使っていた人には60Hzは残像が気になって不快でしたが、90Hzは全く気にならずヌルヌル動いてくれます。
ただ、バッテリー持ちが悪化するからかデフォルトではオフになっているので、「スムーズディスプレイ」を有効化する必要があります。
ハイエンドモデルと比べるとベゼルが太いです。ハイエンドモデルを使い慣れている人には気になるポイントかもしれませんが、一般人には特に気にならないレベルだと思います。
明確な欠点を上げるとするならば画面の最大輝度が若干低い点です。晴天の日の屋外では画面が見づらいシーンが多かったです。
指紋認証
Pixel 7aは画面内指紋認証に対応しています。初回登録時のみ失敗の連続で不安な気持ちになったのですが、2回目からはすんなり反応するようになりました。
顔認証も併用して使えるので、画面ロック解除はとても快適です。
Pixel 7aのカメラ
Pixel 7aのカメラ性能
Pixel 7aは最大6400万画素のデュアルレンズ構成となっています。
- 広角レンズ:64MP Quad PD Quad Bayer 1/1.73 インチ
- 超広角レンズ:13MP 画角 120°
望遠レンズこそありませんが、ミドルレンジとしては大型のイメージセンサーを搭載したメインレンズと画角の広い超広角レンズという使いやすい構成です。
光学式および電子式手ぶれ補正の両方に対応しており、手ブレの少ない写真を撮ることができます。
ここからはPixel 7aの作例をご紹介します。
Pixel 7aの作例
Pixel 7aはイメージセンサーが大型化+高解像度化したことでボケ感の強く、一段とくっきりとした写真が撮れる印象です。
1/1.73 インチなのでそこまで大きなものではないですが、被写体に寄った撮影しやすいのはメリットです。
等倍では4画素を1つの画素と認識するピクセルビニングにより実質16MPでの撮影となりますが、2倍ズームではビニングを解除したフル画素での撮影ができます。
そのため光量を確保しやすい屋外での2倍ズームの画質が格段に向上しています。
望遠レンズ非搭載かつマクロ非対応ですが4倍デジタルズームがかなり実用的です。
こちらはネギラーメンの写真なのですが、ネギの緑色が異様に強調されて不自然な仕上がりになっています。
Pixelはどちらかといえば地味な写りで料理撮りに向いていないイメージがあったのですが、Pixel 7aはむしろ強調しすぎな印象です。
1枚目 Pixel 7a
— しみたく (@Gadget_Simitaku) May 15, 2023
2枚目 Galaxy S23 Ultra
3枚目 iPhone14 Pro pic.twitter.com/KPEIfkIsCU
メシマズとは言えませんが、ちょっと地味に写る傾向がある気がします。
1枚目 iPhone14 Pro
— しみたく (@Gadget_Simitaku) June 1, 2023
2枚目 Pixel 7a pic.twitter.com/9sNPHq2pYW
暖色系補正が強く入るiPhone14シリーズと比較するとその違いは一目瞭然です。このあたりは撮影シーンで向き不向きがあります。
Pixel 6aでは非対応であった長時間露光に対応しています。
手ぶれ補正もしっかり効くので、スマートフォンでは簡単に撮影できないようなクリエイティブな写真を簡単に撮影することができます。
超広角レンズは画角が120°とかなりの広角なので、ダイナミックな画を撮ることができます。望遠レンズ非搭載ですがデジタルズーム+画像処理のおかげで4倍まではかなり実用的です。
さすがに8倍はのっぺりした画となりますが、使えないことはないレベルです。
地味な変更点ではありますが超広角レンズの画角が広くなったのは嬉しいポイントです。風景撮りが楽しくなりました。
ナイトモードに定評のあるPixelシリーズということで、ミドルレンジ価格の機種にしては夜景性能は非常に高いです。わずかにノイズが乗っていますが全体的に明るくはっきりしています。
1枚目 18万円
— しみたく (@Gadget_Simitaku) June 1, 2023
2枚目 6万円
この違いわかりますか?😂 pic.twitter.com/g365NTwljt
超広角レンズでもナイトモードは利用可能です。メインレンズよりも性能的に劣るため若干ノイジーではありますが、超広角で撮影できる夜景写真ならハイエンドに匹敵します。
こちらも画角が広くなった恩恵として、街夜景などのシーンをダイナミックに撮れるようになりました。
Pixel 7aの動画性能
Pixel 7aは最大4K 60fps撮影が可能となっており、光学式&電子式手ぶれ補正を搭載することでブレの少ない安定した動画を撮影できます。
動画撮影時の発熱が気になりますが、動画性能は同価格と比べると優秀な部類に入ると思います。
Pixel 7aの処理性能
ベンチマークスコア
Pixel 7aは”Tensor G2“プロセッサーを搭載することでミドルレンジとしては処理性能が高いモデルに仕上がっています。
特にここ数年のミドルレンジはSnapdragon 695搭載機種ばかりで体感の使い勝手も画像処理性能も同SoCに引っ張られてつまらないモデルばかりだったのもPixelが人気だった理由の1つです。
ベンチマークスコア(Antutu Ver9)は約75万点でした。
本体の発熱耐性があまり高くないため、測定時の発熱次第では60万点台まで落ちることもあり、熱制御の周辺には不安が残る結果となりました。
とはいえ、Tensor G2を搭載するだけあり、体感の使い勝手はミドルレンジモデルとは思えないほどサクサク動きます。
長時間使っていてもアプリ開閉、画面遷移で全くもたつくはありません。
ネット上の反応を見ると発熱に関しては個体差があるようで、TwitterやWEBブラウジング、Youtube視聴がメイン用途なのですがそこまで気になるような発熱は今のところ感じていません。
使い勝手
Pixelスマートフォンは純粋なAndroidに近いですがPixel独特のカスタマイズが随所に施されています。
Tensorプロセッサーを搭載することによるAI関連機能が強く、翻訳、文字起こし、Googleフォトでの画像編集など地味に便利な機能を多数備えています。
ただ、全体的にカスタマイズ性は乏しく、ゴリゴリ弄って自分色に染めるというよりも、なるべくデフォルトの機能でシンプルに使う人に向いています。
履歴画面ですぐにテキストや画像をコピペできる機能があり地味に便利です。数少ないPixelの独自カスタマイズです。
個人的にはAndroid12から変更されたWiFiトグルが2タップ必要なのが地味にストレスです。
Pixel 7aの電池持ち
Pixel 7aのバッテリー持ち
Pixel 7aは4,385 mAhのバッテリーを搭載しています。電池持ち自体は特に良くもなく悪くもない印象です。
こちらは丸1日使ったときの電池持ちです。80%から丸一日ヘビーに使って残りが17%でした。
そこまでヘビーに使わなければ2日程度は持ちます。
また、YoutubeでフルHD画質の動画を流しっぱなしのときの電池消費量は1時間あたり約7%でした。取り立てて悪くもない印象です。
充電性能
Pixel 7aは急速充電という名の最大18W鈍足充電仕様です。
ミドルレンジでも30Wを超える充電速度を搭載する機種は多数登場しているので、aシリーズに限らずPixelシリーズはもう少し充電速度に力を入れてほしいところです。
- 充電開始:5%
- 30分後:40%(+35%)
- 60分後:67%(+27%)
- 90分後:91%(+24%)
フル充電に必要な時間は2時間程度。電池残量が少ない状態でも30分で35%しか充電されないので電池残量はこまめに気にしたほうがいいでしょう。
Pixel 7aはワイヤレス充電に対応しています。最大速度は不明ですがおそらく7.5Wか10W程度かと想定されます。
こちらはAnkerのワイヤレス充電器で充電したときの電池残量の推移です。
15時から17時の間でワイヤレス充電しているのですが明らかに不安定で発熱も酷いので途中から有線充電に切り替えました。
同様な報告が多いように見えるのでPixel 7aのワイヤレス充電は安定していないのかもしれません。
また、別の機器に充電するワイヤレス逆充電にも非対応みたいなので、Pixel 7aでワイヤレス充電に対応した恩恵はほとんどないという残念な結果でした。
Pixel 7aを安く買う方法
Pixel 7aはGoogleストアのSIMフリーモデルや大手3キャリアでの取り扱いがあります。
価格 | |
Googleストア | 6万2700円 |
NTTドコモ | 7万5350円 |
au | 6万3890円 |
ソフトバンク | 7万9920円 |
単純な端末価格だけで比較するとGoogleストアでの購入が6万2700円で最も安いです。
また、Googleストア版は1万円分のストアクレジットが進呈されたり、povoユーザー限定の10%オフクーポンが利用できたりと割引が多い点が魅力です。
一方で、キャリアモデルは中身が全く同じであるのにも関わらず端末代が高く設定されているため機種単体で購入するメリットはほとんど無いでしょう。
しかし家電量販店でのキャンペーンやスマホ乗り換え.comなどのキャンペーンを活用すれば乗り換え前提かつ2年後に端末を返却する前提ですが機種代を実質24円で使うことができます。
48回分割で購入し、2年後に端末を返却することで残債を免除するキャリアの割引プログラムは免除額が厚めに設定されているのでかなりお得です。
- キャリアを変えたくない方:Googleストア版
- キャリアを変えてもいい:キャリアの割引プログラム適用
上記のどちらかが安い買い方です。
Pixel 7a 実機レビュー まとめ
Pixel 7aの実機レビューをお届けしました。
細かい点では不満点が多々ありますが、価格に対しての満足度は非常に高いです。
Snapdragon 695だらけのミドルレンジの中ではTensor G2搭載というだけでも購入理由になりますし、カメラ性能はやはり優秀で使っていて楽しいスマートフォンです。
下手に5万円以下のAndroidスマートフォンを買うなら断然Pixel 7aがおすすめですね。
ぜひPixel 7aを検討してみて下さい。最後までご愛読ありがとうございました。
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