通信を秘匿化してセキュリティを高める技術がVPNです。
当ブログではVPNの使い方をいくつかご紹介していますが、個人的に凄く役に立っている使い方があります。
そこで本日はVPNの便利な使い方をご紹介します。
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VPNを使うとダウンロード速度が劇的に改善するかもしれない話
ネットワークに詳しい人ならVPNを使うと通信速度が早くなるというのは首を傾げたくなる話かと思います。
かくいう私も、VPNの使い方を解説するサイトを閲覧していた際に、「通信速度が改善する」という記載を目にして、「いや、無いだろ」って思ってしまったことがあります。
なぜならVPNサーバーを経由することによって通信経路が無駄に増えてしまいその分ロスが発生してしまうためです。
しかし、実際にVPNを使うと通信速度(主にダウンロード速度)が劇的に改善するというのは実際に有り得る話です。
ここからは実例を踏まえて解説をします。
VPN接続時のスピードテスト結果
まずはVPN接続していないときと接続しているときでのスピードテストの結果を載せておきます。
通常時で380Mbpsなので、うちのWiFiはかなり速い事がわかるかと思います。
アメリカのVPN接続時は162Mbpsなので少しだけ速度低下していますが、それでもかなり高速です。
そもそも接続先のサーバーが異なる点は注意が必要ですが、アメリカにVPN接続する場合には物理的に距離が離れてしまうため通信速度が下がることは容易に想像できる話かと思います。
WindowsのイメージファイルをVPN経由でダウンロードしてみる(アメリカ経由)
ここから本題に入っていきます。
ここではWindows11のイメージファイルをダウンロードする場合を例にとって解説します。
過去に試したことがある方ならわかるかと思いますが、Windowsのイメージファイルはファイル容量が大きい上にダウンロード速度が非常に遅いです。
こちらを見てもらえれば分かる通り、5.1GBのファイルをダウンロードするのに残り2時間と表示されており、ダウンロードが非常に遅いです。
それでは次にアメリカのVPNサーバーに接続して試してみます。
それではアメリカのVPNに接続した状態で再度ダウンロードを試みてみます。
0.2GBしかダウンロードしていませんが残り時間がたったの8分となり、ダウンロード速度が大幅に改善しています。
ここではWindows11のイメージファイルを例に取りましたが、他にも海外ソフトのダウンロードや海外の動画配信サービスなどVPN接続したほうが通信速度が改善することは珍しくありません。
例えば、海外の動画配信サービスで動画を視聴しているときに動画が頻繁にカクつくときに、VPNでアメリカを経由して視聴すると安定する可能性があります。私は実際に安定するので頻繁に使っています。
WindowsのイメージファイルをVPN経由でダウンロードしてみる(国内サーバー経由)
次に日本国内VPNサーバーに接続してダウンロードしてみます。
こちらはNord VPNで日本国内のVPNサーバーに接続してダウンロードを実行したときの様子です。
約半分の容量をダウンロードして、残り2分となっています。VPN未接続時と比べると爆速で早くなっています。
今回の例では日本国内のVPNサーバーを経由する方法が一番早くなりました。
VPN経由でダウンロード速度が早くなった理由
スピードテストの結果ではVPNを経由するとダウンロード速度が遅くなっていたにもかかわらず、アメリカ経由、国内経由どちらの場合でもVPN接続時にダウンロード速度が早くなっていました。
速度が早くなった理由は、違う通信経路でアクセスし、混雑するルートを回避できたためと想定されます。
VPNサーバーを経由することで混雑するルートを回避可能
国内のVPNサーバーを経由することで、VPNを利用しない場合とは違う通信経路でアクセスできるようになります。
ここで重要なのが、VPNを利用しない通常のルートではどこかに混雑しているポイントがあったということです。
国内のVPNサーバーを強制的に経由させることで、この混雑ポイントを回避することができ、通信速度が劇的に改善したということです。
私の体感ではファイルのダウンロードは大体の場合、国内のVPNサーバーを経由するだけでダウンロード速度が劇的に改善するので、速度が遅いときにはVPNを使うのも有効な手段です。
海外のVPNサーバーを接続する場合でも改善することがある
今回の例では国内にVPN接続することが最も効果がありましたが、あえて海外サーバーに接続することも有効な手段なので少し解説します。
通常インターネット経由でなんらかのファイルをダウンロードする場合には、自分の端末とダウンロードするファイルが格納されているサーバーの間でファイルをやり取りすることになります。
このときの通信経路は契約している通信事業者やISPによって決まりますが、基本的にユーザー側が何らかの操作をする必要はなく、ダウンロード開始のボタンを押すと自動的にダウンロードが始まります。
大手のサービス事業者は負荷分散のためにCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用しており、日本国内にCDNサーバーがあれば国内のCDNサーバーへの接続が優先されるはずです。
これは接続元が日本国内であるためです。
では、VPNでアメリカのサーバーを経由すると接続先はどうなるでしょうか。
アメリカのVPNサーバーを経由してダウンロードを実行した場合には、アメリカを接続元として認識をするため、アメリカのCDNサーバーへと接続されることになります。
- VPN未接続時:日本のCDNサーバーに接続
- アメリカのVPN接続時:アメリカのCDNサーバーに接続
仮に日本のCDNサーバーが貧弱な場合、アメリカのCDNサーバーからのほうがダウンロード速度は早くなるはずです。
参考までにイタリア経由でも試してみました。
やはりNord VPNは早いですね。イタリアの速度測定サーバー間でも200Mbpsを超えるのはさすがです。
ファイルのダウンロードは0.1GBの時点で残り14分なので、アメリカほどは早くないですがVPN未接続時に比べたら圧倒的に早いです。
今回の例では日本国内のVPNサーバーを経由して、強制的に経路を変更させることが最適な方法でしたが、国内のサーバーがパンクしているような場合には、あえて海外のサーバーに接続をするのも有効な手段であると言えるでしょう。
誤解されないように補足しておくと、”ネットワークは生き物”なので、どの方法だと改善するとは断定できません。VPN接続すると逆に悪化する場面も多分にあります。
ここで言いたいのは、VPNを契約していると複数の選択肢を持てるということが大きなメリットであるということです。
もともとの通信速度が遅いと意味ないかも
VPNは通信速度を改善されるための魔法のようなものと思う人がいるかも知れないので最後に補足をしておきます。
今回ご紹介した例ではWindows11のイメージファイルのダウンロード速度が劇的に早くなりましたが、大前提として自宅のインターネット接続の通信速度が遅い場合にはVPN接続しても改善はされません。
そもそも自宅のインターネットの通信速度が数Mbpsを切ってしまうような場合には、その数Mbpsがそもそもの通信速度の限界となるため、VPN接続してもその数Mbpsを超えた通信速度は絶対に出ません。
私がVPN未接続の状態でのスピードテストの結果を載せたのは、もともとの通信速度が十分早いということを示すためです。
スピードテストの結果は早いのに、ダウンロードが遅かったり、動画視聴のローディングの時間が長かったりすることってありますよね。
この方法はそんなときに試すと改善する可能性があるのでオススメです。
VPNは他にもいろんな使い方がある
私が愛用しているNord VPNは有料のVPNサービスですが、セキュリティと通信速度が安定しているため契約をしています。
通信速度のために有料のVPNサービスを契約するのも腰が重いかと思います。
実はVPNを使うとYoutube PremiumやNetflixなどのサービスを格安で契約することもできるようになります。
VPNで通信速度が改善するかもしれない話 まとめ
VPNを使うことでファイルのダウンロード速度が改善するかもしれないという件について、実例を交えて解説しました。
海外が本拠地のサービスを利用する際には、VPNでアメリカ経由にするだけで通信速度が早くなることは割と多いですし、ファイルのダウンロードはVPN経由とするだけで劇的に改善することが多々あるので、個人的にはかなり実用的なVPNの使い方だと思っています。
VPNを使いこなして快適なインターネットライフを送りましょう。
繰り返しになりますが、私のオススメはNord VPNです。
最後までご愛読ありがとうございました。
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