Xperia1シリーズの良いところをコンパクトに凝縮したのがXperia 5シリーズです。
Xperia 1 ⅲのカメラ性能やCPU、ソフトウェア周りはそのままにオーバースペックな部分を削ぎ落としつつ、価格も抑えたのがXperia 5 ⅲです。
先日ソフトバンクへの乗り換えで2年間1円で利用できる権利を取得して、1ヶ月近く愛用しておりました。
そこで本日はXperia 5 ⅲを実際に使ってわかったメリット・デメリットの実機レビューをお届けします。
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Xperia 5 Ⅲの注目ポイント・スペック詳細
Xperia 5 ⅲのメリット・デメリット
- Xperia 1 ⅲと同等のカメラ性能
- 取り回しの良いコンパクトな筐体
- ハイエンドながら手の届きやすい価格
- ワイヤレス充電非対応
- 物足りないカメラソフトウェア
- 邪魔なGoogleアシスタントボタン
Xperia 5 ⅲの魅力は上位モデルであるXperia 1 ⅲのオーバスペックであった部分をうまく削り、本体重量168gのコンパクトな筐体にその魅力を詰め込んでいる点です。
最上位のSoC Snapdragon888と高性能なトリプルレンズカメラを搭載しつつSIMフリーモデルなら114,400円で購入できるお手軽さも注目ポイントです。
一方で、Xperia 1 ⅲとの違いはワイヤレス充電の有無やディスプレイ解像度が4KからFHD+にダウンしている点やToFセンサーの有無よるオートフォーカス性能に若干の違いがある点は注意が必要です。
Xperia 5 ⅲのスペック詳細
Xperia 5 ⅲはキャリアごとにカラーリングが異なりますが、対応周波数を除けば基本的な仕様は同一です。
サイズ | 約68mm×約157mm×約8.2mm |
重量 | 約168g |
SoC(CPU) | Qualcomm® Snapdragon™888 |
OS | Android11 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | MicroSD対応(1TB) |
バッテリー容量 | 4500mAh |
ディスプレイ | 約6.1インチ/有機EL シネマワイドディスプレイ |
ディスプレイ解像度 | FHD+ |
リフレッシュレート | 120Hz |
メインカメラ | 16mm(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2 24mm(広角):有効画素数約1220万画素/F値1.7 70mm・105mm(望遠):有効画素数約1220万画素/F値2.3・2.8 |
フロントカメラ | 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
生体認証 | 指紋認証 |
防水/防塵 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
おサイフケータイ® | ○ |
充電速度 | 30W(PD) |
ワイヤレス充電 | ー |
イヤホンジャック | ○(4極ヘッドセット(CTIA規格準拠)対応) |
WiFi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax |
SIMカードタイプ | nanoSIMスロット SIMフリー版はDual |
eSIM | 非対応 |
5G | sub6対応,ミリ波非対応 |
価格 | SIMフリー版:114,400円 ドコモ:121,405円 au:178,000円 Softbank:137,520円 |
カラーバリエーション | グリーン ピンク フロストブラック フロストシルバー ブラック(SIMフリー特別カラー) |
フロストブラックとフロストシルバーは日本限定カラーで、艶ありのブラックはSIMフリー限定のカラーです。
Xperia 5 ⅲは抜群に持ちやすい縦長筐体
Xperia 5 ⅲはマジで何も付属してこない・・
Xperia 5 ⅲは本体とクイックスタートガイド以外何も付属していません。
他社のスマホにあるようなクリアケースはもちろん、充電器やケーブル、SIMピンすらもありません。
昨今の流れ通りかなり薄い化粧箱となっていますが、もはや本体しか入っていないのでまだまだ薄くする余地はあるでしょう。
フロストブラックが超かっこいい
こちらがXperia 5 ⅲ本体です。
今回レビューするカラーはフロストブラックで、Xperia独特の縦長ボディにシンプルかつスタイリッシュなデザインが非常にかっこいいです。
背面はフロストカラーなので、質感はサラサラしたマット仕上げとなっており、手触りがよく指紋が目立ちづらいです。
撮影者泣かせのテカテカボディと違ってフロストカラーは落ち着いた雰囲気があり、できるなら裸で使いたくなるかっこよさです。
ただ、質感がサラサラしているため、裸運用だと高確率で落とす予感がしています。
横幅68mmなので片手でホールドしたときのフィット感が素晴らしいです。
Xperia 1 ⅲは自分の手には少し大きすぎる点が悩ましいところだったのでXperia 5 ⅲのサイズ感ぐらいがちょうどよいです。
側面のラウンドフォルムも握りやすさに一役買っています。
また、重量が168gというのも、ハイエンドにしてはかなり軽量な部類で長時間の仕様でも手首への負担が少なくとても扱いやすいポイントです。
Xperia 5 ⅲのボタン・端子類
本体右側面に物理ボタンがすべて配置されています。
- 音量キー
- 電源ボタン兼用指紋認証センサー
- Googleアシスタントキー
- シャッターキー
どう考えても邪魔なのがこのGoogleアシスタントキーです。上の写真を見てもらえるとわかるように、ボタンがわずかに陥没しており裸運用だとかなり押しづらいです。
いろんな事情で搭載しているけど、なるべく存在感を消そうとしているようにすら思えます。
Xperia 5 ⅲの指紋認証
— しみたく🙆 (@Gadget_Simitaku) April 5, 2022
乾燥気味の僕の指でもしっかり反応してくれてて、かなり好印象🥰 pic.twitter.com/WtpNCgx0tL
電源ボタン兼用の指紋認証センサーは押しやすい位置に配置されており、精度もXperia 1 ⅲ比較でかなり良くなっている印象です。
ただし顔認証は非対応です。
上部には3.5mmのイヤホンジャックを搭載しています。ハイエンドモデルでイヤホンジャックを搭載している機種はXperiaぐらいじゃないでしょうか。
底面には30W充電(USBーPD)に対応したType-Cポートを搭載しています。
Xperia 1 ⅲと同等レベルのカメラを搭載
カメラスペックは3D-ToFセンサーが省略されている点を除けばXperia 1 ⅲと性能は全く同じで、カメラデザインも共通しています。
一番左のレンズは可変ペリスコープレンズとなっており、1つのレンズで焦点距離70mm、105mmの2つの焦点距離を実現する実質2つの望遠レンズを搭載しています。
詳しくはカメラパートで解説します。
Xperia 5 ⅲはFHD+解像度にスペックダウン
Xperia 5 ⅲのディスプレイ品質
Xperia 5 ⅲは120Hzリフレッシュレート対応のFHD+の有機ELディスプレイを搭載しています。
Xperia伝統のノッチやパンチホールのない21:9比率のシネマワイドディスプレイは動画視聴と相性抜群です。
Xperia 1 ⅲの4Kと比べるとスペックダウンしておりますが、4KからFHD+になることでの粗さは全く感じず、Galaxyのような派手さこそありませんが高繊細で美しいディスプレイです。
現状のコンテンツを考えるとむしろFHD+解像度の方が電池持ちを考えると賢い選択だとすら思います。
このサイズ感がXperia 5 ⅲの醍醐味
Xperia 5 ⅲは縦長ディスプレイを搭載しているため、6.1インチの大画面ながら私の小さい手でもキーボードは縮小せずにそのまま入力することができます。
横幅が短いと片手持ちで文字入力するときでも安定感は抜群なので、Xperia 5 ⅲの持ちやすさこそがまさにXperiaゾーンです。
Xperia 5 ⅲは可変ペリスコープ搭載のトリプルレンズカメラを搭載
Xperia 5 ⅲのカメラスペック詳細
Xperia 5 ⅲはXperia 1 ⅲと同じ可変ペリスコープ搭載のトリプルレンズを搭載しています。
カメラ構成
- 超広角(16mm):有効画素数約1220万画素/F値2.2
- 広角(24mm):有効画素数約1220万画素/F値1.7
- 望遠(70mm・105mm):有効画素数約1220万画素/F値2.3・2.8
ZEISS(ツァイス)レンズを採用しており、ZEISSが刻印されたトリプルレンズカメラです。
ペリスコープは可変式となっており2つの焦点距離をカバーできるため、倍率こそ狭いですが2つの望遠レンズを搭載している構成と同義です。
デジタル一眼レフカメラで培われた瞳AFやトラッキング性能も惜しみなく注がれています。
Xperia 5 ⅲの作例
ここからは実際にXperia 5 ⅲで撮影した作例をご紹介します。
屋外での花撮りの作例です。
独立したカメラキーの半押しでピント調整が可能なため、近距離での被写体撮影はとても快適です。
スマホカメラにありがちな過度なAI補正もなく、色味の再現性が非常に高いです。
こちらは料理の作例です。花撮りの際には過度なAI補正が現れてきませんでしたが、料理は暖色系の補正が割と強めに入ります。
過去にXperiaは寒色寄りでメシマズカメラの不名誉をもらっているためか、料理撮影にはソフトウェア補正を強く効かせている印象です。
風景写真になると補正は弱めで、SONYらしい柔らかい仕上がりの質感となっています。
望遠レンズでぐっと劣化なく被写体によることができ、10倍デジタルズーム程度までがギリギリ許容範囲です。
望遠レンズは最短撮影距離が短めなので、被写体から少し離れて圧縮効果やボケ感を強調することができます。
望遠レンズに切り替えると圧縮効果によりまた違う楽しさを味わえます。
Xperia 5 ⅲは独立したナイトモードを搭載しておらず、光量を検出してXperia側が自動的にナイトモードとして機能しマルチフレーム合成を行います。
都市夜景などのある程度の光量がある状況であればマルチフレーム合成により手持ちでもブレの少ない綺麗な夜景を撮ることができます。
より低照度な環境での作例がこちらです。
ここまで照度が下がると夜景に強い他社のハイエンドスマホとの差が顕著に現れてきます。
Pixelと比較すると明るさや白飛びの抑制、ディティールの表現力の違いは歴然です。
望遠レンズは手ブレが目立つため手持ち撮影はほぼ不可能かと思いました。
ただ、望遠レンズでより低照度を攻めたい方は三脚を用意してPhotoProを駆使するような撮影する楽しさを求められるのはXperiaの魅力です。
Xperia 5 ⅲ カメラ総評
基本スペックがXperia 1 ⅲ と同等ということもありカメラ品質はかなり高いです。
独立したシャッタキーのおかげで画面に一度も触れずに瞬時に起動⇛フォーカス⇛撮影までを実行できるのはXperiaのカメラの大きなメリットです。
Basicモードは明示的にカメラの切り替えが必要な点であるがライトなユーザーには少し面倒な気がしますが、ハイエンドのXperiaを求める層は拘りを持っている人が大層だとするのであればレンズを明示的に切り替える体験も悪くないでしょう。
ただ、ナイトモードやHDR性能などのソフトウェア周りはもう一声欲しいのが正直な感想です。
Xperia 1 ⅲの作例はこちらのレビューで多数掲載しておりますので参考になるかと思います。
Xperia 5 ⅲは最上位SoC搭載でサクサク快適
Xperia 5 ⅲのベンチマークスコア
Xperia 5 ⅲは最上位SoCであるSnapdragon888を搭載しています。
Antutuベンチマークスコアでは約78万点となっており、全体的な動作はキビキビかつサクサク快適です。
気になる発熱ですが、長時間SNSやWEBブラウジングをしている程度ではそこまで熱くならず、Xperia 1 ⅲに比べるとかなり改善しているように感じます。
ただ、Xperia 1 ⅲのときは個体差なのか私の端末は非常に発熱が激しい傾向にありました。Xperia 5 ⅲもTwitter上の声を見る限りでは、発熱が酷い意見と気にならないという意見に分かれており個体差によるばらつきが大きい可能性が高いです。
Xperia 5 ⅲ独自の便利機能も搭載
Xperia 5 ⅲはカスタマイズは少なく素のAndroidにかなり近いです。
とはいえ、Xperia独自の機能もしっかりと搭載されています。
特に便利なのが”ゲーム関連”です。
長時間プレイで発熱対策として、バッテリーを介さずに直接給電できる”HSパワーコントロール”や画面録画や通知のオフなどをまとめて設定できる”ゲームエンハンサー”などゲーム目的で使うにはとても便利な機能です。
他にも”サイドセンス”や”いたわり充電”など決して多くないですが、実用的な機能がいくつか盛り込まれています。
残念仕様のAndroid12へアップデート可能
プリインストールはAndroid11ですが私のXperia 5 ⅲにはAndroid12アップデートが降ってきており、Android12にアップデートしています。
Android12は細かい改善点はありつつも、ユーザビリティを考えるとかなり残念なアップデートとなっています。
特に残念なのがAndroid12で非難轟々なクイック設定の改悪をそのまま踏襲しWiFiの項目がモバイルネットワークと統合されてしまった点です。
いままではクイック設定から一発でWiFiをオフにできましたが、上の画像のように一度インターネットをタップしてWiFiの項目にチェックを入れる一手間が増えました。
この仕様はPixel6のときから文句の声で溢れかえっており、GalaxyはAndroid12でも従来のWiFiボタンをそのまま残すといった対応をしています。
他にも片手モードが従来は画面全体が縮小していたのに、画面全体が下にさがってくるAndroid12標準仕様へと変更され、開発に全くお金をかけてないことが丸わかりです。
Xperia 5 ⅲは電池持ちがとても良い
Xperia 5 ⅲの電池持ち
Xperia 5 ⅲを実際に使ってみて感覚では、Xperia1 Ⅲと比較にならないぐらい電池持ちが良いです。
ガッツリ使っても1日は余裕で、もう少しライトな使い方なら2日は使えるため、同じSoCを搭載する機種と比較すると非常に電池持ちは良いと思います。
Xperia 1 ⅲと比べると発熱関連がソフト改善されている点やディスプレイ解像度が4KからFHD+となっている点が寄与しているのではと思います。
Snapdragon888の中でも珍しく電池持ちが良い機種だと思いました。
充電速度は30wに向上
Xperia 5 ⅲはUSB-PD対応の30W急速充電に対応しています。
PD対応の最大出力が45WのAnker NanoⅡ 45Wで充電した結果がこちらです。
充電速度
- 充電開始:2%
- 15分後:29%(+17%)
- 30分後:49%(+37%)
- 45分後:68%(+66%)
- 60分後:79%(+77%)
- 75分後:81%(+79%)
- 90分後:94%(+92%)
- 105分後:100%
ほぼフル充電にかかった時間は約1時間45分なので、充電速度は特に早いとは言えないレベルです。
iPhoneやGalaxyも同程度の充電速度なので大きく劣るわけではないですが、充電速度ではOPPOやXiaomiには30分程度でフル充電ができる機種も存在しており、中国勢と比べると見劣りします。
また、Xperia 5 ⅲはハイエンドモデルながらワイヤレス充電に対応していない点は注意が必要です。
Xperia 5 ⅲの実機レビューまとめ ロマンを削りつつ魅力はしっかり残した名機
Xperia 5 ⅲの実機レビューをお届けしました。
Xperia 1 ⅲに搭載されていた(無駄な)ロマンを削りつつも、トリプルレンズカメラやSoC性能など必要な部分をしっかりと残すことで万人におすすめしやすいスマートフォンに仕上がっています。
電池持ちや発熱対策、携帯性はXperia 1 ⅲよりも優れており、Xperia 1 ⅲの価格の高さに躊躇していた方はぜひXperia 5 ⅲを検討してみては如何でしょうか。
Xperia 5 ⅲはドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアおよびAmazon等でのSIMフリーモデルも用意されています。
最後までご愛読ありがとうございました。
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