OPPO A77はOPPOの日本法人であるオウガ・ジャパンから発売されている2022年のエントリーモデルのスマートフォンです。
特に注目されているのがSoCにHelio G35を搭載している点で、処理性能に不安しかありません。
今回メーカー様よりOPPO A77の実機をお借りすることができたので、実際のOPPO A77を使ってわかったメリット・デメリットの実機レビューをお届けします。
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OPPO A77の注目ポイント
OPPO A77のメリット・デメリット
今回レビューするOPPO A77のメリット・デメリットをまとめてみました。
- 5000mAhの大容量バッテリー
- 33W急速充電対応
- OPPO Glowによるおしゃれな背面
- ステレオスピーカー
- 5000万画素カメラ
- 貧弱すぎる処理性能
- おサイフケータイ非対応
- 5G非対応
OPPO A77は一言で言えば電池持ちとデザインに割り切ったエントリーモデルです。
上位モデルにあたるOPPO Reno7 Aで好評なOPPO Glowと呼ばれる背面加工を採用しており、デザインに拘っています。
エントリーモデルを求める層であっても電池持ちは重視する傾向にあるため、5000mAhの大容量バッテリーを搭載することでかなりのロングバッテリーが期待でき、充電速度も33Wとエントリーモデルにしてはかなり高速です。
ただし注意が必要なのがスマートフォンの処理性能の左右するSoCです。
MediaTek製の”Helio G35”を採用しており、基本的にスペックが低いエントリーモデルの中でも低い部類に入ります。SoCの能力はスマートフォンの操作全般に影響するため、この処理性能の低さを許容できるかが本機のポイントです。
気になる価格はSIMフリーモデルが24,800円となっており、エントリーモデルの中では標準的な価格です。
OPPO A77の詳細スペック
OPPO A77の詳細スペックがこちらです。
項目 | OPPO A77 |
---|---|
サイズ | 約W75.0×H163.7×8.0mm |
重量 | 約187g |
SoC(CPU) | MediaTek Helio G35 |
OS | ColorOS 12 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB(eMMC 5.1) |
外部ストレージ | MicroSDXC(1TBまで) |
バッテリー容量 | 5,000mAh |
ディスプレイ | 約6.5インチ 液晶 |
ディスプレイ解像度 | 1612 x 720 (HD+) |
リフレッシュレート | 最大60Hz |
タッチサンプリングレート | 最大60Hz |
メインカメラ | 【広角】約5,000万画素(F値:1.8) 【深度】約200万画素(F値:2.4) |
フロントカメラ | 約800万画素(F値2.0, FOV 79°; 5Pレンズ) |
生体認証 | 指紋認証/顔認証 |
防水/防塵 | IPX4 IP5X |
おサイフケータイ® | 非対応 |
充電速度 | 33W(SUPERVOOC) |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
イヤホンジャック | 搭載 |
WiFi | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
SIMカードタイプ | デュアルSIMスロット |
eSIM | 非対応 |
4G | TD-LTE Band 38/41 LTE-FDD Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/26/28/66 |
5G | 非対応 |
メーカー希望小売価格 | 24,800円 |
一般的なエントリーモデルと比べて劣っている部分を赤字にしています。
OPPO A77の外観・ディスプレイ
OPPO A77のデザイン
今回はブラックカラーをお借りしました。
デザインは上位モデルにあたるOPPO Reno7 Aを継承し、OPPO Glowと呼ばれる独自の背面加工が施されています。
サラサラとしたマットな質感にラメ加工が施されており、エントリーモデルでは珍しくおしゃれなデザインだと思います。
一方で、本体が非常に滑りやすくなっているため、うっかりポケットから落としたくない人はケース装着をおすすめします。
OPPO A77は本体サイズが約163.7mm×約75.0mm×約8.0mmと割と大きめの部類になります。
iPhone13 Proと並べるとその大きさがよく分かるかと思います。
サイズは大きいですが重量は187gとこのサイズにしては軽量で取り回しは良いです。
OPPO A77の端子・ボタン周り
側面には指紋認証兼用の電源ボタンを搭載しています。
ちょうど片手持ちしたときの親指の位置に搭載されており、指を置くだけで反応してくれる点がとても使いやすいです。
認証の精度は”普通”で、失敗することもたまにあります。
反応が”早い”ときもあれば”1〜2秒のラグ”があることもあり、このあたりは処理性能が足を引っ張っている印象です。
底面にはイヤホンジャック、USB-Cポート、スピーカーが搭載されています。
スピーカーはディスプレイ上面と併せてステレオスピーカーとなっており、地味に迫力のある音を出してくれます。
ただ、エントリーモデルのスマートフォンを購入する人でスピーカーにこだわる人がどれだけいるかと問われると疑問です。
音質関連ではBluetoothコーデックのaptX HDとLDACに対応しており、地味に頑張っています。
こちらも同様にエントリーモデルを使う人がハイレゾ級音源をスマートフォンで再生するのかは少し疑問が残りますが。
右側面にはSIMトレーと音量キーを搭載しており、物理SIMカード2枚+MicroSDカードの同時利用が可能です。
エントリーモデルにDSDVの需要は無さそうですが、あって困るものではありません。
OPPO A77のディスプレイ
OPPO A77は解像度1612 x 720のHD+解像度の液晶ディスプレイを搭載しています。
ディスプレイサイズは6.5インチなので、HD+解像度は少し粗さが目立ちますが、普段使いなら特に気にせず使えるレベルです。
ただ、ディスプレイの最大輝度は600nitと非常に低いため快晴の日だとディスプレイが真っ暗で見えない可能性が高いです。
また、リフレッシュレートは当たり前に60Hzですがタッチサンプリングレートも60Hzとなっています。
タッチサンプリングレートとは
- 画面タッチに対する感度の高さを示す指標
タッチサンプリングレートはタッチの反応や追従性に関係しており、60Hzは他の機種に比べて低い値となっています。
それ故に全体的なタッチ操作に僅かな遅れを感じ、昔のスマートフォンを触っていた頃の感覚が蘇ってきます。
OPPO A77の 処理性能・操作性
OPPO A77のベンチマークスコア
こちらがOPPO A77のAntutu ver9のベンチマークスコアです。
総合スコアが約11万点なので” Helio G35”前評判通りの低スコアです。
また、ベンチマークスコアの結果に表示されている通り、「ユーザーの1%を上回っている」=「99%に負けている」と言えるでしょう。処理能力の低さがこの点からも伺えます。
約11万点だと2014年〜2015年モデルがだいたい同じぐらいのスコアとなっており、人気どころで言えばXperia Z5とほぼ同じといったところでしょうか。
基本的にエントリーモデルを購入する人はスマートフォンに求めるものが少ないので気にしないのかもしれませんが、今からXperia Z5レベルの処理性能の機種を購入するのは躊躇する人が多いのではないでしょうか。
スマートフォンの買い替え頻度は3年が最も多いと考えると、スマートフォンで利用するアプリケーションは3年+αの機種で動くことを目安に作られていると想定されます。
さすがに7年前のスペックはアプリ開発者側もカバーしきれないため、この処理性能では苦しいと言わざるを得ません。
OPPO A77の体感の処理能力
ベンチマークスコアでは想定通りの低スコアでしたが、重要なのは実際の使用感です。
OPPO A77はホーム画面のスクロールやスムーズですが、アプリの起動には数秒から数十秒かかる場面が多く、スクロールや画面切り替えも基本的に遅いです。
OPPO A77
— しみたく🙆 (@Gadget_Simitaku) October 4, 2022
さすがにHelio G35はキツイわ😅
ホーム画面以外全部ガクガクやん。。
でも、このモデル買う層って全然気にしないのかなとか思ったり😅 pic.twitter.com/DedKc6GXLZ
これまで当ブログでもエントリーモデルの機種をいくつかレビューしてきましたが、動作の遅さという点では頭一つ抜けている印象です。
そもそもエントリーモデルはLINEやWEB検索など最低限の用途しか使わない人を想定しているため、高い処理性能を必要としません。
そのため「日常的な利用であれば問題はありません」という定型文に逃げがちなのですが、残念ながらその言葉は使えないレベルの使用感です。
リフレッシュレート1Hzかよ🤣
— しみたく🙆 (@Gadget_Simitaku) October 6, 2022
機種名は言いませんが、今日発売されたやつです。 pic.twitter.com/a3xJfpsihd
OPPO A77
— しみたく🙆 (@Gadget_Simitaku) October 8, 2022
処理性能の低さは随所に😅 pic.twitter.com/3MUG2vWEf9
Googleマップでちょっと調べるだけでも想像以上に時間がかかりますし、アプリを1つインストールするだけでもストレスフルです。
新しいアプリを入れさせないことでデジタルデトックス的な効果を狙ったのではと思ってしまうほどです。
そもそもスマートフォンは初期設定が完了したタイミングが最も動作が軽く、使用年月を重ねる中で日に日に処理が重くなっていきます。
完了直後でこの動作の遅さだと、2年後が不安で仕方ありません。
上位モデルにあたるOPPO Reno7 Aには他社にはないシステム劣化防止機能という”サクサク使えること”に重点を置いていたので、ユーザー利用体験としての動作のサクサク感を重視しているのかと思っていましたが、OPPO A77でその考えに疑問が生じました。
ターゲット層の違いによる棲み分けと言われてしまえばそれまでですが、ここまで動作が遅いスマートフォンを2022年にリリースする真意を知りたくて仕方がありません。
ColorOS12搭載
OPPO A77はAndroidをベースにしたOPPO独自のColorOSを搭載しています。
電源ボタン2度押しでカメラ起動ができない点を除けば、カスタマイズの幅は広くいじり甲斐のあるUIとなっています。
OPPO独自の便利機能も沢山搭載されているため、OPPO以外の機種を使っていた人には同じAndroidでも新鮮な気持ちで楽しむことができます。
おサイフケータイには非対応
OPPO A77はおサイフケータイに対応していません。
エントリーモデルは必要最低限の機能だけを搭載する傾向にありますが、おサイフケータイは日本人から人気の高い機能であるがゆえに、他のエントリーモデルでも多く採用されています。
しかし、OPPO A77はおサイフケータイに対応していません。
コストがかかるのは理解しますが、エントリーモデルを利用するそうにはおサイフケータイの必要性は高いように思えるのは私だけでしょうか。
OPPO A77のカメラ性能
OPPO A77のカメラスペック
OPPO A77は一見デュアルカメラに見えますが、1つは深度測定用のカメラなので実質1眼カメラです。
5000万画素の高画素レンズを搭載していますが、スマートフォンにおいて”画素数が高い=画質が良い”というのはよくある勘違いなので、5000万画素だから高画質だとは思わないようにしましょう。
OPPO A77の作例
基本的にエントリーモデルのカメラに期待する人はいないと思いますが、ここからはOPPO A77の作例をご紹介します。
生憎の天気で風景撮りとしては難易度が高いコンディションでしたが、想像していたよりはしっかり撮れる印象です。
ただ、シーンによっては全体的に白っぽく感じることがありエントリーモデルらしい仕上がりです。
手ブレ補正機構は搭載していないため、手ぶれにはかなり弱いです。
立体感がなく、のっぺりした感じが否めません。
光量が少ない屋内だと全体的に白っぽく、あまり料理も映えません。
OPPO A77はナイトモードを搭載していますが、あまり期待するものではありません。
全く明るく撮れませんし、ノイズも目立ちます。
そもそもエントリーモデルのスマートフォンで夜景を撮る人はいないと思いますが、作例のように寝静まった子供の寝顔を撮影したい親御さんは多いと思いますので、子供を撮りたいならエントリーモデルはやめておきましょう。
OPPO A77の電池持ち
OPPO A77は本体重量が187gとそこまで重くない部類ながら5000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
エントリーモデルのスマートフォンは処理性能が低い一方で高負荷を与えるシーンが限られるため基本的に電池持ちが良いです。
ただ、各社考えていることは同じで、エントリーモデルに大容量バッテリーを搭載するモデルは意外と多いため、OPPO A77が特別良いというわけでもありません。
一方で、企業努力が感じられるのが充電速度です。
OPPO A77は33W SUPERVOOCと呼ばれるOPPO独自の急速充電に対応しており、エントリーモデルながら33Wの急速充電が可能です。
残量20%から約30分で40%近く充電することができました。エントリーモデルにしてはかなり高速です。
もちろん充電速度は速いに越したことはありませんが、なぜ充電速度にこだわったのかは個人的に謎です。
エントリーモデルを使う層はそもそもスマートフォンの利用頻度が低いため、夜間は充電器に繋ぎっぱなしにしたり、長時間スマートフォンが使えなくてもそこまで不満に感じないでしょう。
そう考えると充電速度に魅力を感じるエントリーモデルの購買希望者が存在するかはどうしても疑問に感じてしまいます。
OPPO A77のレビューまとめ
OPPO A77の実機レビューをお届けしました。
スペック表を見たときに想像はしていましたが、やはりSoCの処理性能の低さが全体的な足を引っ張っている印象です。
充電速度やデザインなどハイエンドスマートフォンを購入する層が求めるポイントに重点を置いたエントリーモデルが果たして求められているのか。
そんな機種を待っていたという方にはおすすめできますが、この機種を買うのであれば昨年モデルのOPPO Reno5 AやOPPO A54のほうが良いのではないかと思ってしまいます。
気になっている方はOPPO A77をご検討ください。
最後までご愛読ありがとうございました。
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