コストパフォーマンスに優れたスマートフォンを日本市場で多く発売してきたXiaomiが新しいエントリーモデルを発売しました。
それが”Redmi 12C“です。
令和の時代にまさかのMicroUSB端子採用、5Gは非対応、SoCも心もとないMediaTek Helio G85を採用とかなりスペックを抑えた仕様となっています。
本日はRedmi 12Cを購入し実際に使ってわかったメリット・デメリットの実機レビューをお届けします。
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Redmi 12Cの注目ポイント
Redmi 12Cをメリット・デメリットがこちらです。
- 6.71インチの大画面
- 大容量5000mAhバッテリー
- 意外と悪くないカメラ
- 貧弱なSoC
- 位置が悪い指紋認証
- アマプラのHD画質再生不可
- 懐かしのMicroUSB搭載
Redmi 12Cはスマートフォンの利用頻度が低く、極力お金をかけたくない層向けのエントリースマートフォンです。
ディスプレイサイズは6.71インチと大きく、5000万画素の高画素カメラ、5000mAhの大容量バッテリー、最大1TBのMicroSDに対応しており、ライトな層がほしい点はしっかり抑えています。
一方、気になるが充電端子。今やType-Cが主流になりMircroUSB端子を使っている人はほぼいない状況で、まさかのMicroUSB端子を採用しています。
スマートフォンの性能を左右するSoCには「MediaTek Helio G85」を採用し、お世辞にも高いとは言えない処理能力です。
Netflixなどの動画配信サービスで高画質再生をするためのWidevineはL3となっておりせっかくの大画面なのにHD画質での再生ができません。
良い点と悪い点がはっきりした判断分かれるエントリーモデルとなっています。
Redmi 12Cの外観・デザイン
Redmi12CにはMicroUSBケーブルと充電器が付属しています。
MicroUSBの端子は廃れつつあるため、意外と新しいものがなかったりするので、付属しているのは地味に助かりました。
今回はグラファイトグレーを購入しました。
エントリーモデルにありがちなプラスチッキなー感じとは異なり、テクスチャード加工の触り心地が良いです。
適度に摩擦感がありますし、緩やかにラウンドしているためとても持ちやすいです。
ディスプレイサイズは6.71インチとかなり大型部類に入ります。Galaxy S23 Ultraと比べるとほぼ同じサイズ感です。
一方で、重量は192gと本体のサイズ感から考えると僅かに軽い部類に入ります。
指紋認証はカメラ横に設置されています。コンパクトなスマートフォンならこの位置でも問題ありませんが、6.7インチ級でこの位置は指がつらいです。
当たり前に自然に指があたる位置ではなく、意図的に指を伸ばす必要があります。
背面カメラはデュアルレンズですが、1つが5000万画素の広角レンズ、もう一つがポートレート補助レンズなので実質的には超広角も望遠もない1眼レンズです。
上面にはイヤホンジャックを搭載しています。ハイエンドでは希少な存在ですがエントリーモデルでは逆にないほうが珍しいです。
底面にはモノラルスピーカーと懐かしのMicroUSBポートを搭載しています。
スピーカーは若干籠もった音がしますが価格を考えれば及第点です。
右側面に電源ボタンと音量キーを備えるオーソドックスな構成です。
SIMトレーはピンが必要なタイプです。MicroSDとNano-SIM2枚を同時挿入できる豪華仕様です。
エントリーモデルを使う人がデュアルSIM運用するとは全く想像できませんが、多い分にはデメリットはありません。
Redmi 12Cのディスプレイ性能
Redmi 12Cのディスプレイ品質
Redmi 12Cは6.71インチの1650×720(HD+)解像度の液晶ディスプレイを搭載しています。
日頃から高精細な有機ELディスプレイを見ている人からするとのっぺりとしてますし、目を凝らせば粗さが目に付きます。
ただ、エントリーモデルのメインユーザー層には色味や解像度の点で不満に思うことは無いぐらいのレベル感かと思います。
ただ画面輝度が500nitとかなり低いのが難点です。実際に晴れた日に屋外で使ってみましたが、画面が真っ暗でかなりストレスがたまります。
フロントカメラはノッチ型
フロントカメラはエントリーモデル定番のしずく型(ノッチ型)となっています
狭額縁なデザインですがベゼルも下部が厚くなっています。
また、Redmi 12Cはスマートフォンに必ず搭載されている近接センサーを搭載していません。この点についてはフロントカメラとタッチパネルで代用しているようです。
コストカットの努力が垣間見えます。
Redmi 12Cのカメラ性能
Redmi 12Cのカメラスペック
Redmi12Cは5000万画素のメインレンズを搭載しています。
5000万画素という数値だけみるとハイエンドモデルと同じですが、肝心なセンサーサイズは1/2.76インチとかなり小型。とはいえ、エントリーモデルに搭載するカメラとしてみれば悪くないです。
ここからはRedmi12Cで撮影した作例をご紹介します。
Redmi12Cのカメラ作例
Redmi12Cには今どきのスマートフォンとしては珍しく被写体検出や明示的なAIモードが搭載されていません。
こうした彩度の高い花撮りでは彩度を持ち上げすぎて不自然な写りになるモデルが多い中、過度な補正をしないことが良い方向に働いているように感じます。
1枚目の唐揚げは全体的に明るい店内だったこともありぱっと見は美味しく撮れています。一方で2,3枚目はちょっと暗めの店内だったこともありノイジーかつ色味が不自然です。
光量が多い屋内撮りはやはり難易度が高い印象です。
HDRモードを有効にすると明暗差の強いシーンでも黒つぶれがないダイナミックレンジの広い写真を撮れます。
ただし、デフォルトでHDRはオフになっており起動のたびに都度オンにする必要があります。
基本的に動作が遅い端末なのに1工程増えるのでそれなりにストレスがたまります。
夜景モードを搭載しており夜でもある程度明るい写真を撮ることができます。
2枚目が顕著なのですが画像処理能力が低いためどうしても描写はノイジーになりがちです。
とはいえ、夜景撮影を楽しみたいと思っている人まずこのクラスのスマートフォンを購入しないので、多少ノイジーではありますが十分使えるレベルに仕上がっていると思います。
Redmi 12Cの動画性能
Redmi 12Cの動画撮影は次の2つのモードにのみ対応しています。
- 720p 30fps
- 1080p 30pfs
手ブレ補正もないのでエントリーモデルの動画性能はおまけ程度と思ったほうが良いです。
Redmi12Cの処理性能
ベンチマークスコア
Redmi12CはSoCにMediaTek Helio G85を搭載しています。
日本市場では低価格なエントリーモデルで採用されがちなMediaTek製のSoCというだけあり、処理性能は高くありません。
Antutuベンチマークスコアは20万点程度なので、エントリーモデルとしてはちょっと低い水準といったところでしょうか。
ただ、昨年に物議を醸したOPPO A77は更に下位グレードのSoCでベンチマークスコアは10万点であったことを考えると悪くないとも取れます。
肝心な操作感ですが、全体的に重さを感じ、アプリの開閉にもたつくことがそれなりの頻度であります。
「WEBブラウジングやSNSなら問題ないレベル!」と言いたいところですが、どうしてもワンテンポ・ツーテンポ遅れる場面が多々があります。
Redmi 12C Twitterスクロール
— しみたく (@Gadget_Simitaku) April 2, 2023
カクカクなのは仕方ないとして、なかなか頑張ってる気がするのは気のせいかしら😂 pic.twitter.com/OXG6cnUUZI
ただ、Twitterのスクロールは思っていたよりもちゃんと動きます。OPPO A77のときは端末を投げたくなりましたが、この使用感ならギリギリ我慢できるラインでした。
Redmi 12Cでパズドラをプレイ
— しみたく (@Gadget_Simitaku) April 2, 2023
若干重い感じが否めませんが、出来なくはない😅 pic.twitter.com/1usidGSfaR
パズドラ程度のゲームならなんとかプレイすることができます。そもそもエントリーモデルでゲームを真面目にやることなど絶対におすすめしませんが。
日本向けカスタマイズは中途半端
Redmi 12Cは日本国内向けモデルですが、おサイフケータイ非対応かつ防水非対応です。
エントリーモデルのメインターゲット層は意外とガラケー時代からおサイフケータイを使っていたりするので、この部分のローカライズがされていないのは残念です。
アマプラ、NetflixのHD再生は不可能
衝撃的だったのが著作権に関連するDRM(デジタル著作権管理方法)のレベルを表しているWidevineセキュリティレベルがWidevine L3だった点です。
WidevineはL1が最も高く、Widevine L1に対応している端末であればAmazonプライムやNetflixなどのデジタルコンテンツをHD画質(720p)以上で再生することができます。
逆にL1に対応していないということは420pというSD画質となり、スマートフォンの画面サイズでも十分粗いです。
せっかく6.71インチの大画面を搭載しているにも関わらずHD画質で再生できないのはかなり残念仕様です。
Redmi 12Cの電池持ち・充電速度
Redmi 12Cは5000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
あまりゴリゴリ使うことも少ないと思うので、1日もしくは2日に1回の充電でも余裕で電池が持ちます。
YoutubeでフルHD動画を流し続けたときの電池消費量は1時間あたり20%でした。
ハイエンドやミドルレンジモデルでは10%未満のものが多いため、負荷のかかる動作をさせるときの電池持ちはあまり良くないようです。
Redmi 12Cの充電端子はスマートフォン初期から我々の充電環境を支えてくれたMicroUSB端子です。
MicroUSBなのである程度察しがつくと思いますが充電速度は最大10Wとかなり遅いです。
付属の充電器を使えば約2時間で10%から93%まで充電できました。
ただ、エントリーモデルはそもそものスマートフォンの利用頻度が低いため、夜間などに充電されるケースが多いためあまり問題ないかもしれません。
Redmi 12Cの購入方法
Redmi 12CはMVNO、SIMフリーモデルで販売されています。
MVNO版は価格が安いですが、ただでさえ動作が遅いのにメモリが4GB→3GBと小さくなっている点に注意が必要です。
Redmi 12Cのレビュー まとめ
Redmi 12Cの実機レビューをお届けしました。
完全に時代遅れのMicroUSB端子を搭載している点とアマプラやNetflixのHD画質での再生ができないのが痛すぎますが、エントリーモデルのスマートフォンであることを考えるとそれ以外は取り立てて良くもなければ悪くもない印象です。
ただ、執筆最中に発表された「moto g13」がほぼ同価格・同スペックでUSB-Type-C端子採用なので、存在意義が薄らいでいるような気もします。
気になる方はRedmi 12Cを検討してみてはいかがでしょうか。
最後までご愛読ありがとうございました。
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